Bukhara


市場路 ターキ・ザルガラン  Bukhara

ブハラの中心街には13世紀以降のカラハーン朝時代のモスクなど、名建築が多い。それらを結ぶ位置に陣取る交差点を利用した「十字型の市場路」とでも呼べる建築がある。いわゆるバザールなので、名建築には数えられていないが、街を南北に走るハキカット通りのように、繁華街や公園やモスクを結ぶ交差路に被さるように置かれている。そのドームやトンネルの群が日常を丸ごと包んでいて、思いがけぬ賑わいに出会って驚くのだ。これは世界にもあまり類型のない建築ではないだろうかと。散歩で出会ったこの街の建物をもうひとつ挙げるとすれば、絹の市場ティーム・アブドラ・ハーンの繭型の市場路空間であろうか。これもシルクロードを象徴するような交差路建築の傑作だと思う。