Bukhara


愛すべき立方体 イスマーイール廟  Bukhara

現在のブハラの街の大部分は、13世紀初頭モンゴル軍の破壊の後に再興した都市ではあるが、基礎になっているのは9世紀サマーン朝によって建設された起源をもつ古都に思える。その王族の小さな廟が、砂に埋まっていたために奇跡的に原型を留めていたということで、それがまた中央アジアで最も古い記念物に数えられていることなど、町の所々に古都が顔を覗かしているように思うからである。表面的なタイル装飾ではなく、煉瓦やテラコッタの凹凸装飾を駆使した廟は、イスラム以前からそこにあったような素朴な静けさを纏う。約9mの立方体、中央に一つの半球ドームが載るだけの単純なかたち。中央アジアが誇る愛すべき古の立方体だ。