Shakhrisabz


チム−ルの宮殿 アク・セライ Shakhrisabz

中央アジアを旅する人にとって、近寄り易く、馴染み深く感じられるのは、チム−ル時代の遺構である。血飛沫が滲む破壊を歴史に刻むジンギスハーンの後に現れて、同じ覇権者でありながら、中央アジアを商業の路として繁栄させ、特に拠点としてのサマルカンドを中心に多くの街や建築を後世に遺したことを、贔屓目に見るからであろうか。その覇者の故郷シャフリサブスの街中に、アク・セライ宮殿がある。離宮と呼んでもよいらしいが、決して潜んで建っているといった代物ではない。門塔の一部しか残っていないにせよ、その50mを越えていたといわれる塔影は、この建築好きの王らしくいまも周囲を睥睨するかのように突っ建っている。剥げ落ちて部分的に残るマジョリカ・タイルは、さすがにモスクのそれとは違って、夕日のなかに歴史を鈍く反射するのみ。