実在するものすべてに建築がある。
家々の壁に、闇や光に、村や街の姿に、日常生活の場の隅々に建築がある。
異質な空間に出会うことによって、それが刺戟となって、
建築がよく見えてくることがあるし、
より深く根源的な空間に触れ得る場合がある。
メキシコとの出会はぼくにとって建築との出会いでもあったのだ。

[ 『メキシコ・スケッチ』表紙より ]